オフィス R−reco

≪旅スマ2対談≫

第八回『オンリーワンは地域活性化の起爆剤』

〜株式会社旅行新聞新社・代表取締役石井貞徳氏と
         トラベルキャスター&旅スマ津田令子〜

リーガロイヤルホテル東京 フェリオにて
リーガロイヤルホテル東京 フェリオにて

津田  いま非常に“ナンバーワン”ではなくて“オンリーワン”の地域づくりの大切さを実感しています。どうしてなのでしょうか。
石井  これからの地域づくりは、とくに“オンリーワン”なんですよ。地域に沿った文化を発信していくことです。ただ我々メディアだけがいくら頑張っても地元の人が冷めていれば、意味がない。地元の人の協力がないと、その町の良さを発信していくうえで限界があります。
津田  そうですね。一方だけでは、発信力が弱いですね。地元の人が、『この町を全国に知らせるんだ』という熱い思いがメディアを引き寄せるということもあります。
石井  そうなんです。地元の人が地元のためにやる。これこそが地域文化の発掘なんです。ただ、地元のことを知られたくない、この文化は自分たちだけで守るんだという風潮もあります。そこが微妙です。日本人らしい、奥ゆかしさなのかもしれません。けれど、自分たちがよいと思うところを積極的にPRしないとメディアは取り上げにくい。もっと、声をだしてほしいのです。有名なところを取り上げるのではなく、埋もれている、あまり知られていない日本のまちにこそ注目したい。それがメディアの役目、役割だと考えています。
津田  今までは、東京タワーやスカイツリーといった“ナンバーワン”を求めていましたよね。でもここ最近の風潮として、今までとは違った形の“オンリーワン”にスポットをあてています。
石井  1番目の山や川などといったものは、学校で習ってきている。では2番目、3番目の山は?川は?どこなのか。知りたいという人はマニアックなごく一部だけでした。これからは、そのマニアックな場所が、陽の目をみるのです。そして人々が知りたい場所なんです。日本にはもっとたくさん良いところがある。調べなければ、興味なければ分からないようなところにスポットをあて発信していくことがメディアとして大事なんです。それこそが地域活性化に繋がると信じています。年代に応じて感じ方が違うでしょう。年配にとっては郷愁、若者にとっては新鮮さを感じるような、“オンリーワン”のまちは地域活性化の起爆剤に必ずなります。




※この旅スマ2対談は毎月21日に更新される予定です