≪旅スマ2対談≫
・第二回 『観光客が町を潤すパートⅠ』
〜株式会社旅行新聞新社・代表取締役石井貞徳氏と
トラベルキャスター&旅スマ津田令子〜
板橋・蓮根<よし邑>にて
石井 観光地づくりは、やはり人です。旅人はなぜそこに行くのか。行きたいのか。その地域の文化・歴史・自然・・・いろいろなものを求めて旅に出る。受け入れ側は、積極的にその土地の良さを発信していかないと旅人には伝わらない。良さを知ってもらわないといけないし、知ってもらうためにどういう発信の仕方をしていくかが重要です。
津田 的確な発信をしなければ旅人は、そっぽを向いてしまいますね。口コミ情報でもラジオやテレビ、新聞や雑誌からでも正確で旬な情報を受けとめたいと思っているはずです。
石井 昔の観光は、「物見遊山」でひとくくりにしていた。団体旅行でどんちゃん騒ぎをする時代があったけれど今の時代は違う。それぞれの個性を尊重する個の時代になっている。それを満足させてあげる観光地づくりをやっていかなければいけないのかなと思う。
津田 いろんな満足の仕方があると思うが、観光地(受け入れ側)と旅人(訪ねる側)の想いがマッチすることが必要ということでしょうか。
石井 マッチするには自分たち(観光地)が町のことを知らなければならない。知らないと発信できない。受け入れ側の人たちが、生活している土地をより勉強しなければならないと思う。
津田 町の素晴らしさを理解し、住んでる街に誇りを持っている人たちの地域を訪ねるといい印象を受ける。『僕は、この町に住んでるけど好きじゃないんだよ』っていう人が多い町は魅力を感じられないですね。
石井 旅人はその土地の人たち以上に、その町のことを勉強している。行く前にどういうところか、どういう文化でどういう歴史があるのかということを興味、関心を持って訪ねているのです。受け入れ側としては、そういう旅人の関心、質問などに応えることで、旅人の心をくすぐり、感動を呼びおこす。自分の知らなかったことを、体験、経験できるという醍醐味を味わえるわけです。より一層、「自分たちの土地を愛してほしいし、好きになってもらいたい」と強く思いますね。
津田 町ぐるみで旅人を迎える体制が整っていれば、例えば優秀なボランティアガイドさんを輩出したり、結果として食にしてもお土産にしてもお金を落としていただけるはずです。よい循環を生み出せるということだと思います。
石井 そういう循環、仕組みがなければこれからの時代、観光地が生きていくのは厳しい。 地に足をしっかりとつけて息の長い観光地づくりを心掛けてほしい。ブームが終われば衰退してしまう。地域住民と一体化したイベントを研究してもっと長期的な観光地づくりを、これからも地道に一緒に考えていきたいですね。
≪よし邑≫のお料理
株式会社旅行新聞新社・代表取締役石井貞徳氏
※この旅スマ2対談は毎月21日に更新される予定です