≪旅スマ2対談≫
・第一回 『日本の旅の魅力を語る』
〜株式会社旅行新聞新社・代表取締役石井貞徳氏と
トラベルキャスター&旅スマ津田令子〜
京王プラザホテル・45階スカイラウンジ<オーロララウンジ>にて
津田 「地域の住民みんながプロデューサーとなって地域の魅力ある資源を掘り起こし、できることから『町おこし』をやっている町がある。観光客だけを呼び込むのでなく、地元の人たちも参加でき、喜ぶようなイベントを自発的に行い、自分たちの町を好きになるような取組をしている」
石井 「地域が観光客の方に目をむけるのはいい。けれど、訪れた観光客の方は地域が何をしようとしているのか理解できていないというギャップもある」
津田 「それありますね。今は『個客満足』の時代ですね。一人ひとりが満足することを考えなければならず、観光地は難しい状況になっています」
石井 「かつては『十人十色』と言われてましたが、『一人百色』の旅の仕方があり、旅館は旅人が何を求めて旅をしているのかを判断する力が必要なのです。旅館ではその『判断力』は女将なんだと思います。けれど、『人を見る力』のある人がすくなくなっているような気がします。一昔前の女将はお客様の顔や表情を見て、係りの人に「今日はこうしなさい」と指示ができていた。旅行形態が完全に変わってきているのに、経営者は高度成長期やバブル期の面影が抜けきれずにその乖離がますます大きくなってきている。宿の方も『お客様は神様』という意識が強く働くのか、なにか間違った方向にむかっている面もあります」
津田 「おもてなしの心と、お客様のわがままをすべて受け入れるということをはき違えてはいけませんね」
石井 「お客様の目線というよりも、自分たちの目線で商売している部分かもしれませんね。私は旅館は『芸者文化』だと思っています。お国言葉でもてなし、そこで客とコミュニケーションが生まれる」
津田 「観光地にとって次の一手は『地元の人とのふれあい』だと思います」
株式会社旅行新聞新社・代表取締役石井貞徳氏
石井 「おっしゃるとおりです。今、旅行業界では『地旅』という地域から魅力を発信する流れになっています。まちの人とのふれあいや、そこでしか体験できない魅力ある商品を発信していく流れがあります」
津田 「いつも感じることは、どんなにいい風景や美味しいものがあっても、旅人が話しかけた時に、そっけなくされればその土地のことを好きになれない」
石井 「そうですね。一番大事なのは、笑顔のもてなしだと思うんです。訪れた人が『このまちは、ほっとする』と感じるはずです」
※この旅スマ2対談は毎月21日に更新される予定です