≪旅スマ2対談≫
・第三回 『観光客が町を潤すパートⅡ』
〜株式会社旅行新聞新社・代表取締役石井貞徳氏と
トラベルキャスター&旅スマ津田令子〜
bar<Am>にて
津田 観光客に来てもらうために、県庁おもてなし課を設置するなどいろいろな手をうっている。おもてなしの仕方を、ハードとソフトで分けて、どちらかに偏ることなくバランスを保つのは難しいですね。
石井 難しい問題ですね。そのバランスはもてなす、対応するひとり一人だと思います。人の心にあらわれる。どちらも大事。ハードは決まっているので、どのくらいソフト面をアピールできるのか。愛する土地を、どのように、どうしたら伝えられるのかというのが重要だと思います。
津田 ハードで足らないところをソフトでカバーするんですね。
石井 ハードって固い。ソフト面で人間味をどうだすか。それは個人個人の資質だと思います。勉強したからといってすぐにできるわけではない。よりハードを輝かせるのはやはり人なんです。
津田 迎える側の人というと、旅館やレストランの従業員教育が重要だと思います。その点はいかがなのでしょうか。
石井 昔は旅館の社長や女将、現場のリーダーのいうことは絶対でした。ところが、現在は高学歴の人が宿泊業界に入ってくるようになってきた。従来のように女将、社長による従業員教育が難しくなってきています。コンサルタントや講師などによるマニュアル化した教育システムの導入が必要になってきているのも事実ですね。
津田 女将のいうことなんか聞けない。〇〇先生のいうことなら従うと。
石井 接遇、もてなしのあり方も時代によっ変わってきているとは思います。ただ、その根底に流れているものには、それぞれの旅館の歴史があるわけです。ですから、その歴史の原点を表に出すのはいいことだと思うのですけれども、それが難しい。
津田 こうした時代に従業員のおもてなしを向上させる一番の手段は何なのでしょうか。
石井 何よりもこの仕事を好きになることだと思います。マニュアルでいろいろと指示しても、できる人とできない人がいるのです。不器用でもいいのです。あなたのためならどこでも飛んでいける、そういうことが心底からできる人、人間を好きになることができる人が向いていると思います。
※この旅スマ2対談は毎月21日に更新される予定です